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駅弁とは、夏休みの思い出を食べること。小さい頃、こだま号に乗っておばあちゃんに会いに行った。それは地球の裏側に行くぐらいの楽しみであり、駅弁を買ってもらうことはすごい喜びだった。大人になって、サラリーマンの出張では単なる腹を満たすものであったが、今は違う。味だけではなくそのパッケージも懐かしい。東京駅や新宿駅などでは各地の有名駅弁が買える。家やオフィスで食べる人も多い。駅弁は思い出を旅してくれるものだ。あの夏に帰ろう。

お気に入り駅弁研究会
第1回 大船軒サンドウヰッチ

最近はフルーツサンドがブームだけど、サンドイッチと言えばハムとバターほど贅沢なものはない。
ずっとこの組み合わせが最強サンドだと思っている。それは子供の頃に刷り込まれた味なのだろう。
大船軒のサンドウヰッチ。サンドイッチではなくてサンドウヰッチ。オシャレ極まりない響きがたまらない。

大船軒は鎌倉大船にて1898年(明治31年)516日に営業を開始。
1899年(明治32年)サンドウヰッチ弁当を発売。1900年(明治33年)鎌倉ハム富岡商会を設立。
その後、鯵の押し寿司弁当や駅そばなどを展開。歴史ある名店と言える。
当時、創業者は明治政府要人の黒田清隆との親交があり、黒田は外遊の折に食したサンドウヰッチというものを伝え、駅で売ることをすすめた。この日本で最初の駅弁サンドウヰッチは爆発的に売れたという。
最初は輸入ハムであったが英国人より製造を習得して国内産ハム(鎌倉ハム)を使用することになったそうだ。(大船軒ホームページ参考)

大変言いにくいが、ここまで書いて記憶が定かでないことに気づくのだが、正直に書くと、子供の頃食べていたものが大船軒だったかどうも怪しい。ぼんやりとパッケージに「帝国ホテル」と書いてあったような気もする。「日本食堂」ではなかったと思う。
子供に漢字が読めるのかという疑問もあるが当時神童と呼ばれていたのでホテルというカタカナは読めたと思う。味は間違いなくハムとバター。帝国ホテルか、大船軒か、あるいは両方。
はっきりしないところはあるが、その味はしっかり覚えている。さっそく、パッケージを開けてみよう。

大船軒の文字が、只者ではない家柄を漂わせている。そして包まれたベールをそっと開けると文明開花の時が訪れる。パンのふかっとした柔らかさも感じられる。

しっかり、いい厚みの鎌倉ハム。そこらへんのハムとは歴史が違う。1世紀以上、この味に多くの人が悶絶したに違いない。

失礼してパンをめくると、バターと共に粒々マスタードが見える。
ハムとの相性が素晴らしい。
この組み合わせを考えた人はとてつもない食のクリエイターだと思う。

サイズもちょうどいい。子供の頃、持ちやすかったと思う。ポンジュースや不二家のネクターを飲みながら。当時の写真はないけどその姿は絶対可愛かったと思う。

鎌倉ハムにばかり気を取られていたが、おーっ!チーズサンドウヰッチが端にふたつ。

途中で味を変えたい時、このチーズはありがたい。単調にならないようにということか。大船軒の心遣いに違いない。チーズとバター、これもシンプルでよい。いや、これが本命のファンも多いはずだ。

いつも大事に食べたいのだが、気がつくとあっという間に食べてしまう。これからも食べ続けたい。

大船軒のサンドウヰッチ。530円(税込)。大船駅、東京駅、新宿駅、品川駅他、お弁当売り場で。

そしてもうひとつ好きなサンドイッチがある。東海軒のサンドイッチ。こちらは機会があればちゃんと説明したいがやはり歴史がある静岡の駅弁。こちらはハムサンドとタマゴサンドが入っている。以前は東京駅でも買えたが最近は見当たらない。東京駅での復活を望みたい。

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未ログイン

  1. 昔から駅弁の包み紙をずっと集めていたけど全部捨てられて離婚しかけた。

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    人間国宝になりたいさん